能力~「できる」ようになること(062号・063号)

 子どもが育つ“父親術”

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能力~「できる」ようになること(062号・063号)

「○○ちゃん、もうお箸が使えるなんて、すごいわね~」
「うちの子、×歳なのにまだ自分で靴が履けないんですよ…」


よく、耳にするフレーズです。

今週は、子どもが何か新しいことを『できる』ようになるプロセスについて、
細かく(そしていつも通り理屈っぽく(笑))お話しします。


さっそくですが、子どもが何かを『できる』ようになる時は、
以下のようなプロセスを通ります。

■興味がわく
 ↓
■やってみる→失敗する(何度も繰り返す)
 ↓
■やってみる→偶然うまくいく→またやってみる→失敗する
 (これも繰り返す)
 ↓
■うまくいく確率が上がる
 ↓
■他人から「能力がついた」と言われる


留意いただきたいのは、決して『能力が芽生えて→できる』の順ではなく、
最初に湧き出るのは『興味』だということ。


もうひとつの重要なポイントが、「興味がわく」ことは、完全に本人だけの
ものだということ。
(子どもがいつ何に興味を持つかは、親が決めることではない)

そして、「やってみる」ことも、本人だけのものです。
(子どもがいつ何をやってみたいと思うかも、親が決めることではない。
 親が決めた時点で「やってみたい」ではなく「やってあげなきゃ」
 「やらされる」に変質してしまう)

これらのことを踏まえたうえで、子どもが様々な能力を身につける=「できる」ことを
増やしていくために、親にできることは何かと考えると、以下の2つに絞られます。


(1)そばで見守る

新しいチャレンジを始める時、子どもは振り返って親がそばにいることを確認します。
その瞬間にそばにいてあげて、関心を持って見守っていることを視線で示してあげられれば、
子どもは大きな勇気を得られます。


(2)危険から守る

ごくまれに、子どもはとんでもなく危ない事態を招くかも知れません。
その際に、取り返しのつかない事故だけは防ぐよう守ってあげたいです。

この2つはしっかり心に留めておいていただきたいのですが、実際の日常では、
『過度な手出し・口出し』の方こそ気をつけたほうが良い場面も多そうです。

やってしまいがちな『過度な手出し・口出し』の例は、このようなものです。

□守りすぎ
…多少の痛みやビックリ感、恐怖感などは、「こうすると危ないんだ!」
 と学ぶ大切な体験。
 なのに子どもを守りたい思いから、過度に危険を予防しすぎてしまう。

□失敗体験のジャマ
…大人の目から見れば、絶対にうまく行かないやり方で悪戦苦闘する子ども。
 あまりにも何度も同じ失敗を繰り返すのを見かねて、つい手出し・口出しをしてしまう。

 (子どもが「このやり方はダメか」と納得して次のやり方に移るために必要な
  失敗体験を積むことをジャマしてしまう)

□褒めすぎ
…プロセス中の『偶然うまくいく』や『うまくいく確率が上がる』に対して、
 子どもを励まそうとして(親自身の嬉しさからも?)褒めすぎてしまう。
 すると子どもの「自分でうまくできた!」との満足感に「褒められてうれしい!」
 「パパに喜んでもらえた!」が上塗りされてしまう。

 これを繰り返すうちに、親に褒められること・親を喜ばすことに夢中になって、
 自己の内から湧き出る達成感・満足感を感じることを忘れてしまう。

 (これは重大な問題です。厳しい言い方をすれば、子どものモチベーションを奪って、
  代わりに親への依存を植えつけているとも言えます)

 どうしても声をかけたければ『達成感・満足感に共感する』スタンスで。
 「うまくできて、本当に嬉しいんだね」
 「りくがとっても得意な気持ちになっていること、パパにも伝わってくるよ」


子どもの成長を支えることに熱心な方ほど、これらを注意できると良いかも知れません。


最初にも述べた通り、子どもが何かをできるようになるプロセスの起点は、
子ども自身の興味だけ。

そこを子どもの興味だけに任せず、もう少し積極的に関わりたい(何かが「できる」
ように、促したい)と考える方には、2点ほどお伝えしたいことがあります。


1点目は「放っておいてあげてください」です。

子どもが、いつ・何に興味を持って、能力を身につけていくかは、
子ども自身から自然と湧いて出てくるものです。

その子にとって準備ができていないものを親の考えで要求しても、
お互いにストレスになるばかりでしょう。

仮にうまく何かを習得したとしても、子ども自身が得られる達成感・満足感は、
自分で身につけたときの1/100にも満たないはず。
満たされるのは、親の満足感だけです。


2点目は、それでも何かしたい場合の働きかけ方。

最初に述べた基本のプロセスは変えられないので、親にできるのは
「子ども自身が興味を持つように働きかける」
「子ども自身がやってみたくなるように働きかける」
とのアプローチだけ。

具体的には、子どもが見ているところで親自らが楽しんでいる姿を見せる方法になります。

「やった!お箸でお豆が取れた~」
「えーと、靴を履くときは、片方ずつやるとうまく行くんだよな。
 ベルトを外すと足が入れやすいから、一旦外して、足を奥まで入れたら、
 またベルトを締める、っと。イェーイ、うまく履けて、歩きやすい♪」

(決して「ほら見てなさい、こうやるんだよ」なんて言わないように!
 これでは「親に興味を持たされている」になってしまいます。あくまでも“独り言”で!)

仮に子どもがその誘いに乗ってこなかったとしたら、
「まだこの子はこれを習得する時期ではないんだ」
と理解して、深追いしないよう自制くださいね。



次にお伝えするのは、
「親の都合で、子どもに『できる』ようになってほしい場合」
についてです。


ちょうど先日、個別カウンセリングで
「どうすればトイレトレーニングがうまく行くでしょうか?」
とのご相談がありました。
これも、親が子どもに『できる』ようになってほしいことの一例ですね。

今週はこの事例に沿ってお話しします。


(1)そもそも、を考える

まず、親が子どもに何かを『できる』ようになってほしいと思った時に、
思い出していただきたいことがあります。

子どもの発達ペースは、ひとりひとりバラバラ。いつ、何に興味を持つかは、
ひとりひとりの子ども自身が決める、ということです。

特に事情がない限りは、
「親が気になるから」
「この年齢ではこれくらいできて当然と本に書いてあったから」
などの理由で、子ども自身の成長ペース(その子本来の習得順序・時期)を
乱すことは避けたいものです。

ことトイレトレーニングで言えば
「オムツが取れるのが早いか遅いかの差はあれど、かならずいつかは取れる!」
という当たり前のことを思い出し、本当に今オムツを外さなくてはならない
事情があるかどうか、立ち止まって再考したいところと言えます。


(2)理想的な対処法

という訳で、お勧めの対処法は
「子どもには、何もしない」
です。

代わりに、親の側で「うちの子はまだできない」と気に病むことをやめ、
「この子にとって適切なタイミングが来れば、自然とできるようになるさ」
と信じるよう、考えを切り替えることにするのです。

実際、放っておけば自然とその子にとってちょうど良い“タイミング”が来るもの。
その時にはたいした苦労なく、あっさりできるようになってしまいますよ。


(3)やむを得ない時の対処法

そうは言っても、
「どうしてもコレは今身に付けてもらわないと」との事情の時もあるかもしれません。
その場合は、親子ともにストレスなく、かつ確実にうまく習得できるよう、
次のような対処法が良いでしょう。


(3-1)なぜ習得してもらう必要があるかを確認

子どもに働きかける前に、なぜ習得してもらう必要があるかの理由を、
しっかり親の中で整理してください。

トイレトレーニングの例なら、
・保育園でそろそろオムツを外してほしいと言われている?
・親の世間体の問題?
・排泄後の世話が大変?
・オムツの費用負担が重い?

「理由」に良し悪しはありませんので、本当の理由を突き止めることに集中してくださいね。


(3-2)子どもと本音で相談


親として「どうしてもコレは今身に付けていたい」と思っていることと、
その理由を、面と向かって丁寧にお話してあげてください。

「パパね、シュウちゃんにはトイレでおしっこ・うんちするようになってもらいたいんだよ」

「オムツだと、うんちの後にお尻拭いたり、ゴミの始末したりするのが大変なんだ」

「それにね、オムツはお金がかかるから、それも節約したいんだ」

「保育園で、スミレ組に先生が2人でしょ。先生ひとりがシュウちゃんのオムツの
 お世話をしていると、もうひとりの先生で残りの子どもたちのことを見なきゃ
 いけなくなって大変みたいなんだ」

「だからね、シュウちゃんがトイレでおしっこ・うんちしてくれると、本当に助かるんだよ」

「相談に乗ってくれてありがとうね。パパもできること手伝うね」


習得してほしいこと・習得してほしい理由によって伝える内容は変わりますが、
どんな時も文末の表現だけは気をつけてください。


○お勧めする表現→
 「困っている/大変だ」「…だと嬉しい/助かる」「話を聞いてくれてありがとう」


●お勧めしない表現→
 「いけない/おかしい/ダメだ」「…でないといけない」「怒られる」
 「なんで・・・なの?」「わかった?!」



(3-3)いざ、トレーニング

充分に説明し、子どもも納得したら、いよいよ習得に向けて進むことになります。

子どもには子どもの習得ペースがあること、しかも今回は子ども本人に動機が
湧いていないところを親の都合で付き合わせていることを考慮し、
無理のないペースを意識してあげてくださいね。

また、先ほどと同じで、習得中の働きかけの時も、表現・言葉遣いには
気をつけてあげたいです。

トイレを促すのであれば、

「行きなさい」「行かなきゃダメじゃない」ではなく、

「そろそろ行っておこうか」「今行ってもいいよ」などの声をかけてあげられたら
良いと思います。

それに加えて、
「あ、お出かけ前にパパはトイレに行っておこうっと」
と自ら手本を示すのも、効果大です。

さらに、うまく行ったら
「あ~~、トイレでうんちしてもらえるとパパ助かるなぁ♪」と、
しらじらしいくらい大きい声で独り言を。

失敗したら、淡々と始末しつつ
「そうだよね、最初はいつトイレ行ったらいいかわかりにくいんだよね」
と軽くフォローを。



皆さん大人たちには子どもを信じる勇気が持てることを、子どもたちには
自分の興味・好奇心が心おきなく楽しめることを、心から祈っています!

(第062号・第063号 2008/07/04・11配信分)




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パパコーチ くろさわ

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