いつも・何度も・何回も

 子どもが育つ“父親術”

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いつも・何度も・何回も

「いつも言っているでしょ」
何度も言っているのに、また同じ間違いをする。

「何度言ったらわかるんだい」
毎日言っていることなのに、今日も言われるまでやらない・気がつかない。

「何回も言わせないでくれよ」

昨日も一昨日も答えたことを、また今日も訊いてくる。

何回も同じことを言わなければならない状況が繰り返されると、
さすがにイラだったり疲れたりしてしまうこともあると思います。

今日は、この問題を切り口に子どもの性質を説明しつつ、
適切な対応方法をお伝えします。



まず第一に大切なポイントは、大人と子どもでは感じ方がかなり異なるということ。

大人が“いつも”、“何度も”と感じている場面であっても、
子どもには「何回も言われている」「昨日と同じことを今日も」という感覚が、
実はほとんどありません。

言い換えれば、子どもは“積み重ねられた時間”という感覚をあまり持っていないということ。
「いつも」「何度も」との認識のない子どもに向かって、「いつも」「何度も」と強調してみても、
効果的なコミュニケーションにはなりません。


それでは、そんな子どもに対してどのような言い方・伝え方が効果的でしょうか。

最初に考えたいのが、その口出しが本当に必要なのか再考してみたい、ということ。

特に“指示出し”“間違いの指摘”の内容についてはよく考えてみていただきたいです。

―もしかしたら、口を挟むことで子どもの貴重な経験(失敗体験も含む!)を
 奪っていないだろうか。

―先回りして正解を言われてしまうより、子どもなりに自分で試行錯誤して
 見つけたいのではないか。


など自問して「やはり言うべき」と自信を持てなかったのであれば、
言わない方が良い場合がほとんどのはず。


“指示出し”の内容の場合は、言い方も再検討しましょう。
具体的には、命令形をやめて、事実伝達形もしくは感情伝達形にすること。

「歯みがきしなさい」
から、

「まだ歯みがきはしていなかったかな」
「あと歯みがきだけ済ませれば出発できるな、うーん楽しみ~」

にしてみましょう。

こうすることで子どもが歯みがきをちゃんとする率が高まる効果もありますし、
長い目で見ても望ましいコミュニケーション方法と言えそうです。

命令形→「できていない」ことを指摘される経験の繰り返し。
 事実伝達形・感情伝達形→「ヒントを聞いて自分で気がついて、自分で適切な行動が取れた」
 体験の積み重ね。



最後に気をつけるのが、口調・トーン。
ここは(指示出しだけでなく)すべての場合に共通する、大切なポイントです。

「何回目であったとしても、初回と同じ気持ち&口調・トーンで話す」ことを忘れないでください。

「いつも」「何度も」と感じていない子どもの感覚に合わせて、
「いつも」「何度も」と思わないで話す、ということ。

ただし、台詞だけうまく構成しても、その奥に苛立ちがこもっていたら、
子どもは言葉の意味と同時に苛立ちも感じ取ってしまい、混乱するばかり。

「子どもというのは、こんなものだ」との納得感(≒良い意味の諦め)をもって
接してあげたいところです。


毎朝忙しい中で歯みがきを促す面倒臭さも、自分には興味のない質問に答え続ける
億劫さも、
「これらはすべて『子どもはいつでも目の前の一瞬を集中して生きている』からこそだ!」
と思えば、だいぶ和らぐのではないでしょうか。


「良い意味の諦め」とは書きましたが、よく考えてみれば子どもはその性質ゆえに、

―同じ遊びを何度しても楽しい

―ひとつの思い出話を、何回聞いてもうれしい

―毎晩同じ1冊の本を読んでもらって気持ちが落ち着く


という素晴らしさが得られているわけです。

もしかしたら、むしろ大人のほうが見習いたい、あるいはその感覚を思い出したいこと
なのかも知れませんね。


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