<長文です!> 行動を「選ぶ」

 子どもが育つ“父親術”

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<長文です!> 行動を「選ぶ」

道端に石が落ちています。丸く形が整った石です。

息子は、蹴ります。家に着くまで失くさずに蹴っていこうとして、
小刻みに転がします。

娘は、拾ってポケットへ。宝物のコレクションがまたひとつ増えました。


ごくありふれた日常のワンシーンですが、理屈っぽく言えば、
これらはすべて「子どもの内に動機が芽生え→行動に移す、
ということが行われている」と言うことができます。


視界に何か見える

→【動機】気になる・興味・好奇心

→【行動】近づいて見てみる。



丸い石だとわかる

(息子の場合は)
→【動機】ボールみたいで面白そう。転がしたい
→【行動】蹴る。


(娘は)
→【動機】つるつるでキレイ。欲しいな
→【行動】拾う。


実際には、ここに書かれているような明確な思考を子どもが
しているわけではありませんが、子どもが感じた動機を言葉にすれば、
こんな感じになるでしょう。


別の場面を考えると、

友だちが自分のお気に入りのミニカーを勝手に使っている
→【動機】触らせたくない。返して欲しい
→【行動】ひったくる。


こんなことも、よく起きますよね。


さて、この“動機”は、子どもの内側から湧きあがるもので、
その子自身だけのものです。

親でも誰でも、他人に動機を強制したり禁止したりすることはできません。
(よく考えると、自分でもできません)

何に対して、どんな動機を持つかは人それぞれ。
個性を作り彩る大きな要素でもあります。

また、動機からつながる“行動”をどう選ぶかも、
個性の表れるところです。

ただし、“行動”は内から湧き出るだけではないという点、
そして自分で「選んでいる」という点で、動機とは大きく異なります。

子どもは他者を観察しながら、いろいろな“行動”を学び、
マネをして、自身の“行動”のレパートリーを増やしています。


さらに、人から聞いた話や本で読んだことなどを通じて、
レパートリーを増やすことも(それなりの年齢になると)可能です。


動機も行動も、すべて本人のもので、親が決めたり指示したり
するものではありません。

とは言え、親が関わることが全くできないと言うわけでもありません。

親として子どものためにできることは、3つあります。

(1)“行動”の選択肢を示し、レパートリーを増やすのを手伝う

(2)動機→行動の選択の際に、どれを選ぶかを導いたり促したりする



先ほどのミニカーの例で言えば、

「触らせたくない」「返して欲しい」という動機の部分は、
親が手出し・口出しができませんし、するべきでもありません。

「そんな風に考えちゃいけません」と言ったところで、
子どもは口に出して言わなくなるだけで思いは変わらないでしょう。


親にできるのは、「ひったくる」以外の行動の選択肢を教えたり、
勧めたりしてあげること。


「『返して』って相談してみてもいいんじゃない?」

「別なものを貸してあげると、返してもらいやすくなるかもよ」

「1台のミニカーで、2人が遊べるうまい方法が見つかるといいね」



場面によっては、明確に選択肢を教えなくても

「何か他にいい方法があるかな?」

とヒントを与えるだけでも子どもは気づけるかも知れません。


ここで大事なのは、必ず「子どもが自分で選ぶ」という点を
守り通す
こと。

自分で決めたものしか納得感を持って動くことはできませんし、
行動のレパートリーとしても身に付きません。

ここで、もし仮に親が
「いいじゃないの。貸してあげなさい!」
と強制するとどうなるでしょうか。

→【動機】貸してあげたくなる

→【行動】快く貸してあげる。


・・・には、絶対にならないでしょう。



むしろ、

→【動機】叱られるのはイヤ。でもやっぱり触らせたくない

→【行動】親の見ているところでは、しぶしぶ我慢。
     見ていないところでひったくる。


という状況に子どもを押し込めてしまうだけでしょう。


また、もうひとつ注意が必要な点があります。

それは、親の提案したものとは別の“違うやり方”を子どもが考え付いた時。

多くの場合、子どもの案は親の案より“劣る”やり方
(=その場に適していない、問題を解決できそうにない)
のように見えるはずです。

こういう時こそ、「子どもが自分で選ぶ」ことを守ってあげてください。

口を挟みたい気持ちをぐっと堪えて、子どもの判断のまま
行動するのを見守りましょう。


子どもは“自分で考えたやり方”を選びたがるものですし、
そのやり方での結果―うまく行く結果も、うまく行かない結果も、
両方とも―を経験しておくことは意味があります。

また、ここで再度口を挟んでしまうと、結局のところ親の案以外を
認めず、親の考えたやり方を強制しているのと一緒になってしまいます。



別の観点の話になりますが、親がこの「他のやり方をアドバイス」する
スキルを持ち適切に働きかけていると、やがて子どももその発想を学びとります。

自分だけで
「他に良い方法はないかな?」
「このやり方・言い方のほうが良いな!」
と考えられるようになる
ことは、きっと子どもにとって
大きな財産となるはずです。


(3)動機→行動の発生を、できるだけ邪魔しない

もしかすると、現代の子育てではこれが一番重要かも知れません。

ここは「邪魔」と呼びましたが、言い換えれば
「子どもの行動を規制・禁止することすべて」です。

道路に落ちているものを拾おうとする度に「汚いよ」
「ばっちいでしょ」と言われ続けると、

→【動機】興味・好奇心
→【行動】見てみる。拾ってみる。


という回路自体が押さえつけられ、働かなくなってしまいます。

また、矛盾するようなことを言いますが、前回ご紹介した
(1)“行動”の選択肢を示し、レパートリーを増やすのを手伝う
(2)動機→行動の選択の際に、どれを選ぶかを導いたり促したりする

も、度合いによっては“邪魔”と紙一重ということも事実です。


もちろん、子どもの身を守ったり、家族や家財を守るために必要な
規制・禁止もあるでしょう。

ですが、往々にして私たちは言いすぎてしまっているもの。

口を挟もうと思った時に、今一度
「本当に止めさせなきゃいけないことかな?」
「汚れても/壊れても/多少のケガくらいしても良いのでは?」

と思い返してみてください。



さて、子どもはこうして日々新しいやり方を学び、
実践して試し、相手・場面ごとの結果を経験しながら、
「コミュニケーション」「問題解決」「自己表現」
などのスキルを身につけていきます。

子どもの行動のレパートリー・選び方は人それぞれではありますが、
どの子もだいたい自分の“パターン”を持つようになります。

同じような状況・同じような動機に対しては同じ行動
(ほとんどの場合、これまでに成功率が高かったもの)
を選ぶことが多くなってきます。


そうして繰り返された“行動”は、やがて“習慣”となり、
強い“動機”がなくても同様の状況では自然とその行動を
取るようになっていきます。

別の言い方をすれば、習慣になると「自分で行動を選んでいる」
ということが、自覚しにくくなるのです。

そして“習慣”というコインの裏側を他者の目から見た時に、
その子の“性質(性格)”と呼ばれるのだとも思います。

怖いのは、親などが子どもに「あなたはこういう性格だ」
などと刷り込んで、本人もそう思い込まされてしまうこと。
そうなると行動を自分で「選んでいる」ことを思い出すのは
本当に困難になり、子どもをその習慣に縛り付けてしまうので、
要注意です。

--
余談ですが、ここで言う“習慣”“性質”というのは、
ビジネスの世界で言う“コンピテンシー”と同じものだと、
私は思っています。

・ミニカーを取られてひったくる子、親に泣きつく子、一緒に
 遊ぶことを考える子。

・情報・ノウハウを抱え込む人、言われれば出す人、自発的に
 共有する人。
 「共有しなさい」と言われても(頭では分かっても)心から
 共有したくなるわけではなく、親や上司の目を気にして共有
 しているフリをするのが関の山なところまで一緒です(苦笑)

--

さて、子どもに動機が生まれ、習慣・性質として定着していくまでの
流れをまとめると、以下のようになります。

【第1段階:動機】
・自然と芽生える。
・強制・禁止できない。自分でも選べない。

  ↓
【第2段階:行動】
・手持ちのレパートリーの中から、自分で選んでいる。
・レパートリーは人を見たり教わったりして増やせる。
・自身の経験で成功率の高いものが選ばれることが多い。
・他人からは強制・禁止できない(できたように見えるが、
 動機が変化してしまっているだけ)

  ↓
【第3段階:習慣】
・同じような場面で同じ行動を選ぶことが続き、習慣化する。
・習慣になると「自分で選んでいる」との意識が持ちにくくなる。

  ↓
【第4段階:性質】
・ある習慣を持つ子は、他者から見ればそういう“性質”の子。
・もともと「自分で選んでいる」ことを思い出すのは、とても困難。



こうして見ると、子どもの“性質”が決まる流れの中で、
“行動”がもっとも意識的に選択している(できる)部分だという
ことがよくわかります。

そして、その行動の選択を左右するのが、子どもの持つ
“レパートリー”と子ども自身が経験する“成功率”。

子どもをもつ親の方には、この2点に日常的に関与していること、
それを通じて子どもの人格形成に(間接的に、でも深く)
関わっていることを、強く、強く、強く、自覚していただきたい
のです。

とは言っても、決して
「子どもが良い性質を身に付けられるよう、正確にコントロールする」
ことを勧めたいわけではありません。

子どもの人生は子ども本人のもの。親が作ろうとする
必要はないし、そうするのは間違っています。

ただ、親のせいで望ましくない性質を持たせてしまうこと
だけはないよう、十分すぎるほど注意していただきたいのです。

具体的に要注意なのは・・・子どもに「困らされる」ことが多い方

急ぐ時にモタつく、怒らせるようなこと・嫌がることをしてくる、
必要以上に面倒をかける、人前で居心地の悪い思いをさせられる、
なども含みます。

おそらくそれは、子どもの動機「親に見てもらいたい」
「愛情を確かめたい」に対して、あなたが高い成功率を
与えてしまったやり方です。

非常に厳しい言い方をすれば、子どもは、

―嫌がることをして、それでも許されることで愛情を
 確かめたがる性質

―迷惑をかけても相手にしてもらえることで愛情を
 確かめたがる性質

―人が不快に思うことをして/言って注目を受けたがる性質


を、あなたから押し付けられつつある可能性があります。

すぐにでも改善に取り組んでいただきたいのですが、
その取り組みの方向についてぜひ知っておいていただきたい
ことがあります。

・問題の行動に対する成功率を下げる方向では取り組まない
  子どもが「ますます愛情を確かめるのが難しくなる」
  状態を生み出します。これでは本末転倒ですし、子ども
  からも強烈な抵抗に遭うため、本来の目的が達成できません。

・他の行動の成功率を高めるよう意識し、行動し続ける
  例えば「見てー」と言われたら、手を止め子どもの
  高さにしゃがみ真剣によ~く見る。
  「ねえねえ」と言われたら、手を止め子どもの高さに
  しゃがみ真剣によ~く聞く。
  これらを愚直にやり続けることが「他の行動の
  成功率を高める」ことにつながります。


改善の取り組みを続けて、問題の行動の成功率と他の行動の
成功率が逆転した瞬間に、子どもは押し付けられつつあった
“性質”から自由になることができるのです。
(この時、家族以外の他人が見ていてもわかるくらい
 子どものふるまい方がガラッと変わります)



【補足】
今回のブログで、親は「レパートリーを増やすことを手伝う」
ことができると書きました。

もし、子どもの行動・習慣に問題があると感じていて、
『早く別の行動を教えてあげたい』との思いをお持ちの方がいたら、
敢えて「話して教える」方法は控えた方が良いでしょう。

親に「なんとかしたい」との意識が強いほど、伝える力が
強くなり“強制”に近づいてしまいがちだからです。

そんな時ほど、「見て学んでもらう」に徹することを
心がけましょう。
つまり、子どもにとって身につけられたら良いのでは…と
親が思う行動を、親自身が取り続けるのです。

―慎重さに欠けると心配なら、子どもと歩く時にすべての
 交差点でビタッと立ち止まり、大きく首を左右に向けて
 「車、来ない。よし、渡る!」と言ってから渡る。

―他の子に対して攻撃的過ぎると心配なら、妻や子に対して
 文句や非難をすべて止め、相手の言い分をよく聞き、
 一旦必ず「なるほど、それもごもっとも」と言い、自分の
 言い分も穏やかに説明し、「では、みんなが納得できる
 方法を考えようか。」と明るく言う。


ただ、この取り組みは「いつ」成果が出るかはもちろん
のこと、成果が「出るかどうか」さえも、保証はありません。

何度も述べているように、どの行動を身に付け・選ぶかは、
その子本人のもの。
いつ身に付けるかは、個人差が極めて大きいところ。

逆説的ですが、子どもを見て気を揉むのであれば、自分が
どうふるまい、どう生きるかに集中すべきなのかもしれません。

子どもに対しては、
「この子はこの子にふさわしい生き方を必ず見つけられる」
と信じることだけで、充分なのです。


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Author:パパコーチ くろさわ
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