ただ、そばにいるだけで

 子どもが育つ“父親術”

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ただ、そばにいるだけで

先日、私がサポートしているNPO団体「チャイルドライン支援センター」から、
事業報告書が届きました。

チャイルドラインというのは、子どもが自由に掛けて、
話を聞いてもらえる電話のこと。

指導やアドバイスを目的とせず子どもの話を聞くことに主眼を置いた、
素晴らしい取り組みです。

【参考:チャイルドラインのホームページ】
PC向け
携帯向け



この報告書の中で目を引いたのが、掛かってきた電話の件数にして半数以上が、
会話せずに切れてしまうという点。
繋がったらすぐ切れる/数秒の沈黙の後に切れる、がそれぞれ2割ずつも
あるそうです。

報告書では、これらのケースについて
「実際の相談内容よりも、『掛ける─相手が応える』と言う関係が重要なのでは」
と分析していました。

私も(事情の大部分を想像で補いながらではありますが)、
「うまく話せないけれど、自分の話を聞こうとしてくれる人がいる」
という安心感を求めて掛けてきているケースが多いのだろうなぁ、
と無言の子どもの気持ちを察しています。


“話を聞いてあげる”ことも大切だけれど、

“ただ、そばにいてあげる”ことが大事な時もある。



これは、普段の子育ての場の中でも言えることだと思います。


ひとつは、大人からあれこれ声を掛けることが助けにならない場面。


具体例としては、

・遊ぶ約束をしていた友だちが、急に都合が悪くなった

・もう残ってないけど、あと1個食べたい


などの“分かっちゃいるけど、気持ちが収まらない”状況があります。


相手の都合が悪くなったこと、もうリンゴは残っていないことは、
一度聞けば子どもは理解します。

それなのに聞き分けが悪いのは、
“分かっちゃいるけど、気持ちが収まらない”から。


ここで再度「もう残っていないんだから、仕方ないだろう」と
追い討ちを掛けてはかわいそうですし、無用な反発を招いてしまいかねません。

ただ、気持ちが収まるまでのしばらくの間、そばにいてあげれば
(小さい子なら、抱っこしてあげれば)、それで大丈夫。


・寝起きで機嫌が悪い、グズっている

などの状況も、大人からあれこれ声を掛けても助けにならない
場面のひとつ。

やはり、機嫌が直るまでのしばらくの間、そばにいたり、
抱っこしたりしてあげましょう。


また、子どもが何かを訴えかけようとしているものの
うまく説明できないような場面でも、
「話したいことがあれば、いつでも聞いてあげるよ」との気持ちで
『ただ、そばにいてあげる』ことは、大きな助けになります。

話を聞こうとしてくれている、説明できるまで待ってもらえている、
ボクにとって重要なこの問題をちゃんと重要なこととして扱ってくれている、
そんな感覚は子どもの感情を落ち着かせ、考えを整理するうえで、とても心強いもの。

仮にその時は説明ができずじまいだったとしても、
「自分が大切にされている」感覚は、しっかりと子どもの心に残ります

逆に、子どもの方から言葉で訴えてきているものの、大人の側が
どう返事してあげたらよいか分からない時・言うべき言葉が見つからない時も、
『ただ、そばにいてあげる』ことが大切な場面です。

「そうか、そうなんだ」と優しく子どもの訴えを受け止めてあげながら、
そばにいてあげてください。きっと、子どもにとっては大きな慰めになり、
次に進む勇気が湧いてくるはずです。


ややもすると、大人は「問題の解決」を急いでしまいがち。

でも、子どもが問題を解決できるようになるためには、
ものすごく多くの、多様なプロセス・経験が必要です。

慌てて子どもの代わりに状況を説明したり、
解決策を言ってしまったりするのではなく、
ただ“そばにいる”という接し方を思い出していただけたら、私もうれしいです!


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